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『闇っ子~戸籍のない子供たち~』安武わたる作【ネタバレ結末】

■タイトルと作者

『闇っ子~戸籍のない子供たち~』 安武わたる作

■どんなテーマなのか?

「黒孩子(ヘイハイズ)」「闇っ子」と呼ばれる中国の戸籍のない子供の半生の物語。

■巻数と試し読み

全1巻完結。表題作のほか、虐げられる子供をテーマにした3作品「甘い話苦い水」「それ 欲しい」「いらない子」を収録。

 

>>無料試し読みはこちら

※まんが王国先行配信作品。ほかでまだ読めません。

■あらすじは?

弟が生まれて親に捨てられた「黒孩子」の少女

雪蘭は9つ。貧農の次女として生まれ、親子4人で暮らすが弟が生まれた翌日、眠っている間に売られてしまう。中国の「一人っ子政策」で表向き「いない子」として出生登録をせずにいたため戸籍がなく、弟がいると邪魔だったからだ。トラックの荷台の中には雪蘭と同じ境遇の子供たちがおり、小麗と親しくなった雪蘭。小麗から自分の立場を教えられ、愕然とする。

蔡家に引き取られた雪蘭

小麗と一緒に「店」に売られた雪蘭だったが、そこで金持ちそうな男・蔡永明に「義姉へのプレゼント」として買い取られる。見たこともない豪華な屋敷に小間使いとして仕えることになった雪蘭。自分は幸運だった、と思ったのもつかの間、蔡家の当主・蔡朱陽の慰みものになるために引き取られたと判明し、地獄の日々が始まる。

生き延びるために知恵をつける

夜な夜な朱陽に呼び出され、昼間は小間使いとして当主の妻にいびられる奴隷のような毎日。永明に優しくされ、彼を慕いながらも生き延びるために読み書きの勉強を始め、朱陽が自分を気に入るように演技をする雪蘭。成長した雪蘭は「いつか永明様の花嫁に」という希望を持つようになる。

妻の計略で浮浪児に

夫をたぶらかし、力をつけてきた雪蘭を脅威に感じ始めた妻が、美容院に連れて行くと言って雪蘭をチンピラたちの手に渡して捨てさせた。ボロボロの浮浪児のようになった雪蘭は戸籍もなく、蔡家は「そんな子は知らない」と見捨てる。慕っていた永明にまで捨てられた、と絶望する雪蘭は・・・。

■登場人物の紹介

陳雪蘭(チェン シュエラン):中国西部の貧しい農村で生まれた「黒孩子」。次女で弟が生まれたために親に売られてしまう。

蔡永明(ツァイ ヨンミン):店で雪蘭を気に入り買い取った名家の当主の弟。兄の妻と関係を持つ。

玉英(ユーイン):蔡家の当主の妻の召使い。

蔡朱陽(ツァイ ヂューヤン):蔡家の当主で成金。ハゲ頭の人相の悪い男で「子供好き」。

宋:孤児救済ボランティアで、自身も昔「黒孩子」だった。

■結末

ゴミ捨て場にボロ布のようにされた雪蘭は捨てられ、警察すら戸籍のない「いない人間」という理由で犯罪にならないと主張する。孤児救済ボランティアの宋はそんな雪蘭を助け「いらない人間なんていない」と抱きしめた。雪蘭は傷ついた体と心を癒やし、新しい人生を始める決意をする。

■他収録作のあらすじ

「甘い話苦い水」のあらすじ

相沢幹子は博打にハマる夫に家の金を持ち出されながらも、意地で離婚せず一人息子の公太に苦労させていた。公太は優秀で一流大学に合格し、奨学金ももらって真面目にバイトで貯金もしていたが、夫が借金をこしらえてその返済のために貯金を差し出してしまう。金に困った公太は病院の同級生から遺体を洗うバイトを紹介されるが、異臭が取れないキツイ仕事に精神を病んでいく。

「それ 欲しい」のあらすじ

小学校6年生の竹内亜綺羅は、元ヤンキーの母親にネグレクトされており「トワイライトケア」で養護施設に通っていた。母親のために亜綺羅は万引きを繰り返して問題ばかり起こしていたが、養護施設職員・鬼島と出会い「あんたはまだ親に期待して甘えている」と言われて反発する。母親は高熱を出した亜綺羅を捨てて、姿を消した。

「いらない子」のあらすじ

百浦久寿美の少女時代は「上品な家庭」に育った。なぜか母親は露骨な兄弟間差別し、兄と姉は可愛がるのに久寿美だけは召使いのように扱われていた。ある日耐えきれずに家出した久寿美は、外で働いて自立し成功するが父の葬儀に出席したことで、落ちぶれた母親を兄と姉たちから押し付けられ、暴れる母親のせいで生活をめちゃくちゃにされる。

■コメント

「闇っ子」と呼ばれる「黒孩子」の話はニュースなどで知っていましたが、こうして漫画で読んでみると深い闇しかありません。人口抑制政策とはいえ、人間として扱われない少女たちが3〜4千万人以上いるという恐ろしい話。ヒロインの雪蘭はその中でも「まだ運がいいほう」で、ボランティアの人に助けられます。新しい人生で幸せになってほしいですね。

他作品もなかなかゾッとする話ばかり・・・社会が生み出した「闇」を背負わされる子供たちの姿に、世界は残酷だと思わずにいられません。

■作品への評価

『声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~』で大人気の安武わたる先生による短編漫画集ですが、どの作品も人の醜さ、綺麗ごとだけでは済まない人生の厳しさを描きつつ、必ずそこにある「希望」や女性の「たくましさ」も同時に描かれ、重いテーマなのに読後感がとてもすっきりしているのが特徴です。

 

>>『闇っ子~戸籍のない子供たち~』続きを読む

 

 
安武わたる先生の他作品レビュー

3pun.hatenablog.jp

 

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