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『火傷少女(漫画版)』里見有/貫徹作【ネタバレ結末】

■タイトルと作者

『火傷少女(漫画版)』里見有(作画)/貫徹(原作)作

■どんなテーマなのか?

理由なく死を渇望する少女と、生きることに意味を見いだせない少年との歪んだ恋愛を描く。

■巻数と試し読み

1巻〜以下続刊。(原作はエブリスタ)

 

■あらすじは?

第一巻

二人の出会い

逢崎要(カナメ)はクラスで誰ともしゃべらず、孤立していた。賑やかなクラスメイトたちは「あちら側」で、カナメにはテレビの中の人間と変わらない。だがある日、雛見秕(シイナ)とぶつかって、彼女の『思想ノート』を見てしまう。ノート一面に「死」という言葉がいっぱいで、明るくて好かれるシイナは表の顔で、裏の顔は違うと知り、「自分と同じ側」の人間として惹かれていく。

シイナの望み

カナメの眼鏡を壊したお詫びにと、シイナはファミレスで食事をおごる。改めてノートを見せてもらったカナメは、そこに彼女が死を望む理由が書いていないと気づく。屈託なく明るく笑うシイナだが、その言動は常に死を匂わせていた。そしてシイナは廃校にカナメを連れていき、彼女が集めた「コレクション」を見せられる。それは動物の解剖コレクションだった。「カナメも私に教えてくれる?」とシイナは凶器でカナメに襲いかかる。

胸に空いている穴

カナメだけは違う、と「まだだよ〜」とカナメを抱きしめるシイナ。あの世には一緒がいい、と無理やり約束させる。シイナはカナメと付き合っているとクラスにバラし騒ぎになり、友人のアイリから責められるが、シイナは意に介さない。シイナはいつもやっている「動物の死」の儀式を一緒にやろうとカナメを誘い、「胸に空いている穴」のことを話す。大好き、と言われてカナメはシイナの首に手をかけ、自分でも何をしているのかわからなくなる。

告白の返事

廃校の中の二人を見守る、お面の男がアイリをはばむ。カナメは急に我に返り、手を止めた。シイナは告白の返事を迫るが、カナメは戸惑う。シイナに生きていてほしいと望み、それが叶ってしまったら、もうシイナのことが好きでなくなってしまうかもしれないと。「私のことは気にしなくていい」と笑うシイナは、川に飛び込む。


■登場人物の紹介

逢崎要(カナメ):虚無的な高校生。クラスメイトからは根暗ぼっちと認識されている。父親「ナツメ」が出ていき、母親から「ナツメさん」と呼ばれる。

雛見秕(シイナ):左目に眼帯をつけた女子高生。クラスでは明るく能天気に振る舞うが『思想ノート』には死を渇望する言葉をびっしり綴られていた。

お面の男:シイナを遠くから見守る若い男。シイナの初恋の人であり、思想の原点。左目をつぶした張本人。

熊沢アイリ:シイナの幼馴染。『思想ノート』を見てシイナを「普通」の子にしようと頑張るが失敗する。


■コメント

『これは理解しちゃイケナイお話だぁ』と思うほどに、アブノーマルなお話です。ヒロインのシイナの思考回路が予測不可能で、最初から最後まで壊れています。それなのに、なぜか気になってページをめくる手が止まらない・・・なんなんでしょうかこのお話の引力は。

今までに見たことがないタイプの歪みを抱えた恋愛で、死に急ぐシイナとそんな彼女に惹かれるカナメもまた、どこか歪みを抱えています。

気になるのは「お面の男」で、彼がシイナの思想に多大な影響を与えた人物であることは間違いありません。なぜ、まだその男がシイナを遠くから見守っているのかなど、謎が尽きない1巻でした。


■作品への評価

一歩間違えれば、ただの猟奇犯罪者のお話になってしまうにもかかわらず、非常に危ういバランスで恋愛漫画になっています。

満たされた毎日で、理由もなく死に憧れてしまう少女は、その望みを叶えるために小動物で代用し、通常の人間であればゾッとするような精神性の持ち主。けれど、そんな彼女を理解し、惹かれていく「闇」を抱えた少年がいて奇妙なハーモニーを作っています。

「猟奇的」な彼女をもったがゆえに、誰も経験しえない恋愛に踏み出す男子の恋の行方に、読者は引き込まれていきます。

  

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