3分でわかるブログ

漫画・アニメ・雑学が3分でわかるブログ

スポンサーリンク

『Say,good-bye(漫画)』中野純子作【ネタバレ結末】

■タイトルと作者

『Say,good-bye』中野純子 作

■どんなテーマなのか?

2012年夭折した人気作家、中野純子の短編作品傑作選。大人の恋愛、青春のあやうくほろ苦い恋が描かれている。

■巻数

全1巻完結。表題作「Say,good-bye」は単行本未収録作品。

■あらすじは?

アタシに愛を!

「子供が欲しい。けど結婚したくない」雑誌で募集を見て、つい応募してしまった田中一郎は、山田愛子と会って彼女に協力を申し出る。「妻との間に子供がなく、自分の遺伝子を残したい」そんな願望があったからだ。山田愛子は今まで人に恋したことがない、という。結婚なんてめんどくさいという女性。

だが、一郎は自分の妻と愛子とを比べてしまうようになっていく。子供はまだ欲しくないという妻よりも、次第に愛子に惹かれてしまう気持ちを止められない。ルールを守ってお互いに距離を置きながらも「終わり」が来てほしくないと思うようになる一郎。ある日、愛子の母が亡くなったことをきっかけに、一郎は自らの想いに気づいてしまう。

10月のヒロイン

高校で最も有名な女の子・3年生の里見佳奈子に交際を申し込んだサッカー部一年生の水野は、いきなり玉砕。断られたあとも、水野は佳奈子にアタックする。佳奈子は「伝説的ヒーローの思い出に生きる悲劇のヒロイン」だったから。かつて甲子園のスーパースターだった「彼」を事故で失い、その後誰ともつきあうことがなかった。だが、水野のバイクに乗って事故で怪我をした佳奈子は、過去の真実を語り始める。

盛春少年No.1〜4

岡崎裕太は15歳、高校の入学式で「彼女」と悪夢の再会をした。「裕ちゃん、会いたかった」という岸みのるは、周囲の目も気にせずにベタベタしてくる。みのるとは会いたくなかった。親同士の結婚で1年位同居しただけの関係。「お互いに一生、他のひとは愛さない」という、子供時代の約束を信じているみのる。裕太はみのるをどうしても突き放すことはできない。壊れやすい心を持つみのるは、裕太と異母兄妹だったからだ。裕太はすでに理子という恋人を得て、みのるを裏切っていた。それを知ったみのるは・・・

有千花

藤木亮一と亮子は双子の兄妹。父の仕事の関係で天候を繰り返し、田舎の町にやってきた。クラスに白皙碧眼の美少女・森有千花を見て、あまりのきれいさに亮子は見とれてしまう。「性悪」だというクラスの噂。皆が敬遠する有千花に亮子は話しかけて仲良くなっていく。有千花の父はフランス生まれで容姿は祖母譲りだという。有千花は悪い連中と付き合い、ある日不良学生に襲われそうになっていた。亮一はそれを見て止めようとしたが・・・

Say,good-bye

森本悟の姉・真は学生時代から評判の美人だった。だがバイク事故で両脚をなくし、恋人にも捨てられて今は車椅子生活だ。悟はそんな姉をずっと支えてきた。肉親ではなく「男」として。だが、真は悟に「これっきりでおしまいにするの。結婚するの」と言い出す。半年前からプロポーズしてきた職場の同僚がいるという。もう姉弟だとは思えない関係。だけど、真は「彼は私を幸せにできる人」だと言う。

■アタシに愛を!登場人物の紹介

山田愛子:25歳OL。母子家庭で育ち、母親から「結婚が嫌でも子供を生みなさい。生きる力になるから」と言われていた。かなり割り切った性格。

田中一郎:32歳会社員。妻との間に子供はいない。仕事に夢中になる妻にむなしさを感じていた。

■コメント

「アタシに愛を!」から始まる、少しギョッとするような男女の出会い。大人になった男女が「単純に愛すること」がどれほど難しいのだろうか、と遠回りして結ばれた愛の物語に切なさを感じました。

また、高校生たちの恋愛を描いた3作品についても、早熟な少年少女たちのあやうい魅力がいっぱいで、幸せなだけの恋ばかりではない終わり方に恋愛のリアルがあります。

■作品への評価

割り切ろうとしても、割り切れることはない男と女の関係。それは未熟な十代でも、成熟した大人になっても変わりません。

急逝した人気漫画家・中野純子先生の作品は、どれも男女の深い思いがにじみ出るような作風で、時には背徳感ただようあやしさもあります。

単行本未収録「Say,good-bye」はとくに、短編小説を読んだような読後感があり、先生の夭折が惜しまれます。

  

3pun.hatenablog.jp

 

スポンサーリンク