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『ピンキーは二度ベルを鳴らす』うめざわしゅん作【ネタバレ結末】

■タイトルと作者

『ピンキーは二度ベルを鳴らす』うめざわしゅん作

■どんなテーマなのか?

闇社会に生きる男・小人症のリトルピンキーがアウトローの美学を通し、訳ありの女たちを救う物語。

■巻数

ビッグコミックス連載作品。1巻~以下続刊。

■あらすじは?

※話ごとに読み切り形式になっています。

第1話 OVERTURE

プロダクションのモデルとピンキー。整形したことを気にするモデルに「人目を気にしてしまうことなんて気にするな」と忠告する。

第2話 OVERDOSE

闇社会の有名人・リトルピンキーは、高級クラブで新人ホステスのまりんと出会う。マリンはピンキーが「かわいい」と言われるのがなぜ嫌いなのか問う。率直な態度を気に入ったピンキーはそれは「かわいそう」つまり同情は侮辱だから、と答えた。

まりんはピンキーとのデートで息子のさとるを連れていき、身の上話をする。意外に気さくで紳士的なピンキーに、まりんは罪悪感を感じた。まりんは彼をハメるためにピンキーの取引相手の支店長から送り込まれたスパイだったからだ。

二度目のデートでピンキーから大金が動く情報をつかみ、まりんは彼を裏切る。チンピラたちにさらわれ、拘束されたピンキーはチーフの助けを得ながら、得意の硫酸で撃退する。

まりん親子と支店長が金を持って海外逃亡する寸前、空港でピンキーが待ち受けていた。ピンキーは彼女のケータイを見てすべてを知っていたのだった。

小悪党である支店長をやっつけたあと、母親をかばうさとるに「ママを守ってやれ」と金を渡して親子を逃した。

第3話 OVERSELL

「胸クソ悪い街だ」と、オタクビジネスであふれかえる秋葉を歩くピンキー。困っている極道の元を訪ね、商売敵をつぶしてほしいという依頼を受ける。

散歩店「みるく」の女子高生りさから、友人のユキ探しを手伝う代わりに仕事に協力させるピンキー。りさは「この世はクソ溜め」と評する醒めた子だった。

ユキの捜索から売人と「みるく」の店長に行き着き、ユキは死んでいたことが判明する。ユキが家出した事情とりさへの思いを知り、「自分を大事にすること」を学んだりさ。ピンキーは「皆生きながら学ぶんだ」と去る。

第4話 OVERFAKE(前篇)

極道の加瀬の頼みで、アカリを村木のもとへ送迎したピンキー。加瀬は中国マフィアに通じた罪をドライバーの男にかぶせていた。アカリは日露ハーフでバイク便会社の社長の幼馴染だった。彼の借金返済を待ってもらう代わりに、自らを差し出したのだった。

アカリを送り届けると、部屋で村木が殺害されていた。一方、ニセ札が出回っているとニュースが流れる。ピンキーは情報通の女・ローズの元を訪れる。ニセ札の原版を作った職人が殺害され、村木から原版を奪った加瀬はピンキーとアカリに金を奪った罪を着せようとはめたのだ。

第5話 OVERFAKE(後編)

加瀬に捕まったアカリを助けに乗り込む、ピンキーとチーフ。アカリを人質に取られてボコられるが、すでに会長(極道の親分)に加瀬の裏切りの一部始終が伝えられていた。会長の兵隊が乗り込んでくる、と加瀬の手下たちは四散する。

ピンキーとローズによって加瀬の悪事が暴かれ、アカリはニセ札の原版に硫酸を浴びせる。アカリはピンキーに身を委ねようとするが、「尊敬する女は抱けない」とアカリを好きな男のもとへ帰した。

第6話 OVERCOME

たまたま銃を拾ってしまった国仲結衣に、依頼人のために取り戻そうと接触するピンキー。結衣は、大学時代に和田という男に襲われて対人恐怖症に陥り、大学をやめて孤独な人生を送っていた。

犯人である和田は結婚して子供もでき、幸せな人生を歩んでおり結衣は手に入れた銃で復讐をもくろむ。ピンキーの説得で一時あきらめかけるが、和田が若い女の子を車に連れ込み、再び被害者を増やそうとしているのを見て逆上。罪を全く反省していない和田に、ピンキーがトドメをさした。

■登場人物の紹介

リトルピンキー:小人症で「かわいい」と言われるとキレる。試験管に入れた硫酸をいつも持ち歩き、『硫酸ピンキー』と呼ばれることも。高卒。闇社会のヤクザものだが己の美学があり、気に入った人間を助けることもしばしば。

チーフ:ピンキーの部下。電車でチカンに間違われたところをピンキーに助けられて主任になった。ろうあ者だが体格のいい大男でピンキーの護衛をしている。

まりん:さとるの母親。クラブの新人ホステスとなり、ピンキーに近づく。夫は2年前に事故死しており、シングルマザー。実は支店長の女。

さとる:まりんの息子。支店長に虐待され、体に火を押し付けられたあとがある。

支店長:どこかの会社の支店長で、ピンキーの商売相手の小悪党。金遣いが荒く強欲な男でさとるを虐待していた。まりんを使ってピンキーをはめようとする。

りさ:散歩店「みるく」に在籍する女子高生。同僚のユキが失踪し、ピンキーに捜索を手伝ってもらう。

ユキ:りさに「みるく」に誘われて在籍したが失踪する。りさのことが好きだった。

アカリ:日露ハーフの美女。6歳までロシアで暮らした。葉巻の匂いが大嫌い。好きな男のためにヤクザの慰み者になった。ピンキーが「尊敬する」女。

ローズ:ローズコーポレーションの社長。ツインテールのロリータ・ファッションに身を包み、中卒だが頭が良く情報通。裏社会にも通じている。ピンキーにとって利用価値がある情報源のため、「かわいい」呼ばわりしても怒られない稀有な女。

加瀬:中国マフィアと通じ、部下に罪をかぶせたあと兄貴分である村木を殺害する。バイク便会社の借金返済を待つ代わりに、アカリを「VIP専用」の女にした。

国仲結衣:OLで、男性恐怖症。銃を拾ってしまい、大学時代に彼女を襲った和田に復讐を企む。襲われて学校をやめて以来、人が怖くなり極度のコミュ障になった。

和田:結衣を襲った男で、常習犯。結婚しており、妻が妊娠中。

■ピンキー語録

クールなワルの美学を持つ男・リトルピンキー。彼の言葉は人間の欲望と業を見つめたうえでの発言で、ひとつひとつのセリフが胸に響きます。

 

「人はもう黙るべきだ。沈黙こそが最良の処方だ」(第2話 OVERDOSE)

 

「お前自身を除けば、お前のために心からよかれと願う人間など存在しない」(第3話 OVERSELL)

 

「同情は善意の悪癖だ」(第4・5話 OVERFAKE)

 

「『法なんぞどうでもいいが正邪善悪の別は捨てない』というその態度は、とても俺の気に入った」(第6話 OVERCOME)

■コメント

人が集まる場所には、限りない欲望が渦巻いており、必ずそこに「闇」が生まれる。その闇社会で起こるトラブルを、裏でひそかに解決しつづけている男がリトルピンキーです。

彼にとって法律は無意味。けれども人の気持ちを踏みにじる野郎は決して許さない。闇に堕ちて悩み苦しむ女性たちに、押し付けがましくない救いの手を差し伸べるピンキーがクールです。

■作品への評価

奇妙な小男と大男との凸凹コンビで、裏社会で虐げられている女たちを救いながら、硫酸という武器を駆使する「リトルピンキー」。決して正義の味方ではないのに、カッコイイのは彼に「信念と美学」があるから。

まだ1巻しか出ていませんが、ハードボイルド漫画の傑作となる予感がヒシヒシとする作品です。

 

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3pun.hatenablog.jp

 

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