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『金の国 水の国』岩本ナオ作【ネタバレ結末】

■タイトルと作者

『金の国 水の国』岩本ナオ作

■どんなテーマなのか?

仲の悪い隣国同士の仲裁のため、両国から選ばれた姫と賢い青年が巡り合うファンタジーロマンス。

■巻数

全1巻完結。「このマンガがすごい!2017 オンナ編」1位獲得作品。

■あらすじは?

第1話 どこかにある二つの国

隣り合う仲の悪い国、A国とB国。毎日つまらないことでいざこざが起き、とうとう戦争になってしまう。

神様が仲裁に入り、両国に対してこう言った。

『A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり、B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい』

国王はA国の100人ほどいる「お姫様」の中から、B国近くに住むサーラを嫁に選ぶ。だが、サーラの元にやってきた「婿」は子犬・ルクマンだった。

一方、B国の図書館長の息子・ナランヤバルは設計技師をしており、A国への婿となるが、やってきたのは子猫・オドンチメグであった。

散歩の折、B国に入って落とし穴に落ちたルクマンを助けてくれた縁で、サーラとナランヤバルは出会う。姉たちに「B国夫を見せろ」と迫られていたサーラはナランヤバルに身代わり婿となるよう頼む。

第2話 金の国

姉たちのお茶会に招かれたサーラとナランヤバル。A国の豊かさと技術に、技師としてのナランヤバルは「戦争してもかなわない」と驚愕する。

横暴な右大臣・ピリパッパに、立場を利用して投獄された技術者を解放するよう働きかけるナランヤバル。A国の「動く箱(エレベーター)」に乗せられ、街並みの美しさに「金の国だ」と褒め称える。

第3話 賢い夫

姉・レオポルディーネとその愛人であり左大臣でもあるサラディーン・ムーンライトに、夫となったナランヤバルを紹介するサーラ。

壊れた時計を見てもらいたい、という姉の頼みでナランヤバルが対応する。レオポルディーネからの難しい質問にもサーラがかばってうまく切り抜けた。

第4話 水と愛

ナランヤバルはサラディーンと食事をともにする。ナランヤバルはA国の水資源がすでに枯渇していることに気づいていた。商業国家として繁栄を極めているA国だったが、水資源はもって80年程度。巨大水路の設計図があるとサラディーンに話し、水の豊富なB国からA国に水路を引こうと提案する。

ナランヤバルが留守の間にオドンチメグがいなくなってしまい、サーラはB国まで探しに行く。

第5話 水の国へ

動く道を直すために囚人たちが解放される。ライララはピリパッパの部下・バウラに水路を引く件を知られたため、彼の家族を人質に取る。

B国までオドンチメグを探しにでたサーラは、偶然ナランヤバルの家族と出会う。B国族長が「A国の嫁を見たい」とやってきたため、なりゆきでナランヤバルの嫁のフリをすることに。「ナランヤバルには妻がすでにいる」と勘違いしたサーラは、ショックを受ける。

第6話 たったそれだけのこと

B国族長の前で「絶世の美女のはずが、平凡なぽっちゃり娘」だとバカにされるサーラ。B国族長から半ば見下される形で「飲み比べ」の勝負を挑まれる。

サーラはナランヤバルの悪口に耐えられず、勝負を受けて勝つ。ひとりでA国に戻ろうとしたサーラは、水路の設計図を取りにきたナランヤバルとばったり会う。

ナランヤバルは「お嬢さんが生きている間、A国を水に困らない国にしたい」と告げ、サーラは「水路が見えるのを楽しみにしていますわ」と返す。

第7話 約束

ナランヤバルはA国建築家・アジーズの手助けのもとで水路の建築に動き出す。国王ラスタバン3世は、ピリパッパの甘言にのせられてB国との開戦に傾く。そして「B国からきた夫」の暗殺を命じる。

水路敷設の下見に出るナランヤバル一行は、工期はおよそ50年と見積もる。王宮にて国王側がナランヤバルたちの暗殺を企てていることをバウラから知らされ逃げ出す。

最終話 金の国と水の国

ジュウハラ、ライララの手助けで、国王も手出しできないクインパレスへ逃げ込もうと走るナランヤバル。姉のもとに来ていたサーラと再会し、隠し通路を開く。

国王ラスタバン3世に見つかるが、ナランヤバルはB国との国交を開くよう説得する。その会話から、やっとナランヤバルには妻がいなかったことを知ったサーラ。愛し合う二人を見て、国王は引き下がる。

B国族長と国王は和解し、両国の国交が開かれた。

■登場人物の紹介

サーラ:A国の末の姫君で第93王女。地味でおっとりした性格。辺境に住む利用価値のない姫としてB国への嫁に選ばれた。

ばあや:サーラに仕える召使い。若い頃は国王付きの美容師だった。

ナランヤバル:B国の図書館長の息子で技師。A国への婿に選ばれた。

オドンチメグ:猫。ナランヤバルへ「A国からの嫁」として送られた。名前は「星の輝き」の意。

ルクマン:犬。サーラへ「B国からの婿」として送られた。

レオポルディーネ:A国の第一王女。

ピリパッパ:A国の国王付き祈祷師、兼右大臣。

サラディーン・ムーンライト:左大臣。イケメン俳優でレオポルディーネの目に止まった。女性好き。北の遊牧民の出身。

ライララ:王室に仕える謎の黒頭巾の女性。隠密のような立場の人。

サンチャル:ナランヤバルの父親でB国の図書館長。大家族もち。

アジーズ:A国の一流の建築家。言葉遣いに癖がある。

ラスタバン3世:サーラの父親でA国国王。歴代国王の中で唯一B国と交渉し、「腰抜け王」と言われた「ラスタバン2世」の名を継いだこと苦にしている。頭痛持ち。

ジュウハラ:A国知識階層だが、見た目はガタイのいいチンピラ系で腕っぷしが強い。水路の建築を手伝う。

バウラ:ピリパッパの部下だったが、水路を引く件に賛成してナランヤバルたちの味方になる。

オドュニ・オルドゥ:B国族長。飲み比べでサーラに負けた。

■結末

直接の結婚シーンはないがサーラとナランヤバルの娘たちが登場し、二人が結ばれて両国は和解して末永く幸せに暮らした、と暗示している。

■コメント

読んだあと胸があたたかくなる、まるでおとぎ話のようなファンタジックなロマンスでした。主役二人だけではなく、脇役たちについてもラストではハッピーエンドが描かれており、大円団です。

美人ではないけれども、おっとした気品のある姫君・サーラと、庶民だけれども技術と志のある青年・ナランヤバルの誠実さに「幸せになって本当によかったなあ」とじんわりくるお話でした。

■作品への評価

一言で言うと「素敵なおとぎ話」。子供に読ませたい作品です。中東から中央アジアを思わせる舞台設定で、恋愛だけではなく、外交や国政にまつわる要素もあり世界観に深みをだしています。読後感もとても良いのでおすすめです。

 

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