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『貧困の家庭~もっとお金が欲しい』なかのゆみ他【ネタバレ結末】

 ■タイトルと作者

『貧困の家庭~もっとお金が欲しい…』なかのゆみ、井出智香恵、藤島あやめ作

■どんなテーマなのか?

貧困によりどん底の人生を味わう女性がテーマ。
母の育児放棄と虐待により、貧困のどん底で壮絶な人生を送る少女など、3作品を収録。

■巻数と試し読み

全1巻完結。 

■あらすじは?

第1話「消された心」

母子家庭のひとみは、母・直子に食事を作ってもらえず学校の給食のみで生きていた。ケチな母はトイレの水を流すな、電気は消せと言って仕事に出かける。空腹のあまり、近所の野良猫のエサを奪って餓えをしのいでいた。

ある日、母親が松本達也という彼氏をつくり、彼の家に同棲することになった。子供嫌いなうえに、ひとみの小汚い身なりや躾がなっていないことを怒る達也を見て、母親はひとみをアパートに追い返した。

学校では「猫のエサを拾って食べている」と嫌われ、大家さんから家賃の滞納で怒られ、挙句の果てに母親に「何もかもうまくいかないのはおまえのせい。大嫌い!」と言われ捨てられてしまう。

母親は家賃を滞納したまま夜逃げし、達也のアパートに転がり込むが、達也にはすでに新しい女ができていたため別れ話で口論になる。

ひとみは母親に会うためにひたすら夜道を歩きつづけたが、疲れて畑の大根を盗んで食べ、神社で休むことにした。体調が悪化し、苦しむひとみは自分が誰からも嫌われていると思い込み、涙する。そんなひとみに暖かさを与えてくれたのは、野良猫たちだった。野良猫にエサをやっていた森田に発見され、一命を取り留める。

その頃、達也とケンカしていた直子は逆上してつかみかかろうとしたところ階段から転げ落ちてしまい・・・

第2話「あまりにも不幸な貧乏女」

野川幸子は39歳、場末の夜の街で春をひさいでいた。彼女がこんな身の上になってしまったのは8年前、トラック運転手の夫・満との間に生まれた娘・ゆかりが重い心臓病にかかり、多額の手術代が必要になったことから始まる。夫婦の前に「医療コンサルタント」と名乗る橋黒という男が現れた。

アメリカで手術するために1億5千万円という大金を用意するために、全国から寄付を募る活動をすればいいと勧められる。娘を助けたい一心で、橋黒の言うままに募金活動を続けた夫婦は順調に資金が貯まってきていたが、橋黒は詐欺師で全額持ち逃げしてしまったと知る。募金をだまし取ったとバッシングされ、娘は治療もできないまま亡くなり、夫は多額の賠償責任を妻に押し付けて去っていった。

借金を返すために落ちるところまで落ちた幸子だったが、娘の命日に、橋黒が客としてやってきたことに気づく。お互いに面変わりしていたため幸子に気づかない橋黒を見て、娘の敵であり人生を破壊した恨みを込めて幸子は刃を向ける。

第3話「私のいる場所」

水野怜菜は子供のころ、いつもお腹をすかせ、ひとりぼっちだった。母はチンピラと付き合い、家に連れ込んだが「コブ付きかよ」と男が冷めて去っていくと怜菜を「おまえのせいで逃げられた!」と折檻した。料理はおろか家事もせず、生活保護費を遊びに使い娘をかえりみない母親。

母はいつも自分の男運の悪さを娘のせいにして、怜菜は汚い身なりで学校ではいつもいじめられていた。高校を出たあと工場で務めた怜菜だったが、工場長に言い寄られて逃げ出す。だが、寮暮らしでどこにもあてがなく街をさまよっていると男性にスカウトされる。「ギャラは即金」という言葉に惹かれ、無理だと思いつつもビデオに出演することにした怜菜だったが・・・

■登場人物の紹介

北山ひとみ:「消された心」のヒロイン。小学3年生で母子家庭に育つ。素直な性格。母の育児放棄により常に飢えていたため、猫のエサの煮干しを拾っていた。

北山直子:ひとみの母親。水商売をしていたが娘に対する愛情は一切なく、育児放棄して食事すら作らなかった。自分が不幸なのは娘のせいだと思っている。自己中で思いやりのかけらもない女。

松本達也:ひとみの母親の彼氏。冷たく身勝手な性格。3LDKの自宅に母娘を呼ぶが、結局直子とは別れる。事故で階段から落ちて怪我をしていた直子をそのままにして出勤した。

森田:野良猫にエサをあげていたおばさん。野良猫のためのボランティア活動をしていた。神社で倒れていたひとみを見つけて助けた。

■結末

テレビニュースで母親が階段から落ちて亡くなったと知るひとみは、悲しくて泣く。施設に入れられたひとみは、優しい大人たちに囲まれ、自分もまた大人になったら優しい人になると決意した。

■コメント

次から次へと、不幸のてんこ盛り・・・愛情のない虐待母、そして貧困家庭に生まれ育った女性たちの悲劇に、「まだ私の人生ってマシだったのかも」と感じてしまいました。下を見ればキリがありませんが、「お金」にまつわるトラブルにはあらゆる種類の不幸があります。

お金さえあれば、これほどひどい目にあわなかったのに、と思えるお話や貧乏というものが、いかに人の心を蝕んでいくのか、まざまざと描かれた作品です。第2話「あまりにも不幸な貧乏女」は、最終的に復讐を遂げられたものの、あまりの悲惨さに目を覆いたくなってしまいました。

■作品への評価

「貧困の家庭」をテーマにした作品集で、いずれも貧しさの中で虐げられ、理不尽な目にあわされながらも生きようとする女性たちの姿があります。幼い女の子が、ろくに食事も与えられず猫のエサまで食べていた、というのはショッキングでした。

お金がない、という貧しさだけではなく、愛情の欠乏という貧困もある。本来、子供を慈しんで育てる存在である母親が、我が子を無情なまでにいじめ抜き、あるいはしつけと称して理不尽なことを強いたりと「愛情の貧しさ」のほうが強く印象に残る作品と言えます。

 

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