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『義理の縁~捨て子の涙~』まるいぴよこ作【ネタバレ結末】

■タイトルと作者

『義理の縁~捨て子の涙~』まるいぴよこ作

■どんなテーマなのか?

再婚する母に捨てられた少女が、祖母宅で冷酷な扱いを受けて育つ実話ベースの物語。
短編漫画集となっており、ほかに母と子の因縁を描く作品を収録。

■巻数と試し読み

全1巻完結。全4作品収録。

 

■あらすじは?

第1話「母と娘の迷い道」

仲本幸恵は会社の部長から見合いを勧められて、取引先の部長の次男・大倉修二と交際を経て結婚式を挙げることになった。母親に報告するといい話だと喜んだが、何か様子がおかしかった。

15歳年上の姉・明美が妬むのではないかと式に呼ばないことに決めていたが、式の当日に酔って現れて爆弾発言をかます。「幸恵の本当の母親は私だ」と暴露し、その場で結婚式は中止。破談になったうえに慰謝料まで支払うことになる。

第2話「義理の縁~捨て子の涙~」

平田恵は6歳で母の実家に預けられ、愛情のない祖母と叔母に厄介者としていびられ、こき使われる。母親は再婚したが、再婚相手から恵を祖母の養子とすることを条件に出されていたからだ。

金と引き換えに祖母のもとへ捨てられた恵は「もらいっ子」と学校でもいじめられ、音信不通の母親が迎えに来る日を待っていた。母の手紙を発見した恵は、すでに3人の子を持つ母親に「恵はおばあちゃんの子」と言われ追い返される。

養子になっていたはずが、祖母の葬儀の日、恵は正式な養子ではないと叔母に言われて財産の相続争いが始まる。

第3話「母の愛」

木下マミは父と母、3つ下の弟がいる4人家族で育った。喘息で夜中に苦しむマミに、母親は「うるさい!」となじり、口を押さえ込む。母は弟を溺愛していたが、マミには一切の愛情をかけなかった。母親はまだ幼い我が子ふたりを置いてギャンブルをしに出かけ、マミは弟のおむつを換えてやったが逆に母親に叱られて虐待される。

中学になるとマミはグレてしまい、母に反抗したが髪を切られ爪をはがされひどい目に合わされる。さらに、中卒で工藤という12歳年上の男と無理やり金のために結婚させられ、奴隷のような扱いを受け離婚。実家に戻ったものの、母は孫であるマミの子供たちにまで虐待をしはじめた。

第4話「償い」

主婦の岡田佳子は5歳の息子・健太がおり、幸せな結婚生活をしていたが悩みのタネは女手一つで育ててくれた母親のこと。ひとりがさみしいのか飲むのがやめられず、昼間から酔って電話をかけてくる。そのこともあって、姑の怒りを買い、事実上出入り禁止になっていた。

ところが健太がおばあちゃんに絵を見せに行くと訪ねに行ったとき、母は酔って車を運転していたために誤って轢いてしまい、健太は即死。葬儀は修羅場で姑が母を「人でなし!」とののしる中、佳子は呆然とするしかなかった。

精神を病んだ佳子は、夫との仲も急速に冷めていき、離婚を切り出されてしまう。そして母親が刑務所から出てきたと知らせた。この不幸はすべて母のせいだと、佳子は殺意をもって母親のいるアパートへ行く。

■登場人物の紹介

・仲本幸恵:「母と娘の迷い道」の主人公、27歳。2年前に父が亡くなり、母と暮らす会社員。

・仲本明美:幸恵の15歳年上の派手な姉。42歳の中卒で男関係にもだらしない女。幸恵の実の母親だった。

・平田恵:「義理の縁~捨て子の涙~」の主人公。6歳のときに祖母の養子として預けられ、母親は恵を捨てて金持ちと再婚した。祖母と叔母に冷たくいびられる。

・木下マミ:「母の愛」の主人公。4人家族の長女で喘息持ち。弟を溺愛する母親に露骨な兄弟間差別をされて育つ。

・岡田佳子:「償い」の主人公。37歳の主婦で5歳の息子がいる。アル中の母親のせいですべてを失ってしまう。

■結末

4作品のすべてが実話をもとにした物語のため、創作のようなハッピーエンドではありませんが「前向きに生きていこう」と主人公が決意する希望をもった終わり方になっています。

■コメント

何も悪いことをしていないのに、血の繋がった実の母親にふりまわされて人生を滅茶苦茶にされていく幼い子どもや女性たち。

愛情をもって接していても、母は決して愛情を返してはくれなかった・・・そんな無念さと理不尽な思いがにじみでてくるような短編漫画集です。

一番悲惨だったのは「償い」で、無邪気で優しい息子が祖母の運転する車にひかれてしまう、という悲劇でした。償おうにも償いきれない幼い命。祖母の弱さや母の悲しみがやるせないです。

■作品への評価

いずれの作品も「母と娘」の不条理な関係を描いており、実話がもととなっているだけあってそのリアリティに圧倒されます。

自分が幸せをつかむために娘を捨てて再婚した母親、道徳観念がない母親に結婚を邪魔されて幸せをつかみそこなった女性。

虐待され、母親に食い物にされる悲惨な境遇で育った娘や、実母のせいで息子を失ってしまう母親など現実は小説よりも驚きの出来事に満ちている、と感じさせられる作品ばかりでした。

 

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