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『美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~』【ネタバレ結末】

■タイトルと作者

『美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~』藤森治見 作

■どんなテーマなのか?

戦中戦後を舞台に、醜い顔のせいでいじめられ家族を奪われた女が整形で美しい顔を手に入れ復讐に身を投じる物語。

■巻数と試し読み

デジタル雑誌『ストーリーな女たち』連載中の作品。Vol.10〜12、14、16、18、20収録。


現在、全話(最新話順次追加予定)がまんが王国で先行配信中

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■あらすじは?

美醜の大地の詳細なネタバレ感想を全話面白くまとめたサイト

美醜の大地のネタバレ結末まとめブログ

第1話「泥棒女」

腕利きの外科医を訪ね、整形を依頼する市村ハナ。外科医は整形の動機を尋ねる。

醜い顔のせいで幼少の頃からいじめられ、地元樺太の大手会社の令嬢である高島津絢子の指図で、学校では女子グループに激しいいじめを受けていた。

苦しい毎日だったが、女手一つで弟と自分を学校へやってくれる母のためにこらえるが、ある日、絢子の策略により学校で泥棒の犯人されてしまう。教師たちに糾弾され、退学にされたハナだったが、優しい母のいたわりにより慰められる。

 

終戦を迎え、樺太がソ連領になった途端、民間人をソ連軍が襲う。港に来た引揚船に母と弟とともに乗り込むハナだったが、絢子たち女子グループに「泥棒」と罵られ、船から降ろされてしまう。つぎの船には乗れたが、本土の目の前で撃沈され、母と弟が亡くなってしまう。

「醜い」という理由だけで自分を蔑み、家族の死の原因をつくった絢子といじめ女子たちに、ハナは復讐するためにお金をためて整形をして別人に生まれ変わることにしたのだった。

外科医は「あいつらを地獄の底へ引きずり落とす」というハナの決意を気に入り、彼女を美しい女へと生まれ変わらせる。

 

ハナの第一のターゲット・大塚敏恵がいる北海道川上町で「小石川 菜穂子」として、旅館に潜り込む。敏恵は嫁いだ先の旅館で若女将として采配をふるっており、幸せな日々を送っていた。控えめで美人な「菜穂子」は、働き者でいい子だと周囲から好かれる。

ハナは復讐として、かつて自分に対してやられたいじめをそっくりそのまま敏恵にお返しする。ハナは死んだはずだ、とハナの亡霊が蘇ったのだと怯える敏恵。敏恵は次第に常軌を逸した振る舞いをするようになっていき、周囲の反感を買う。

敏恵の夫が美しい菜穂子に惹かれるようになり、もともと見合いは乗り気じゃなかったと敏恵に愛想を尽かす。敏恵は客の貴重品を盗んで菜穂子に濡れ衣を着せようとしたが、逆にみんなに見つかって夫に「出て行け」と追い出され、逆上して飛び出したせいで階段から落ちてしまう。

命はとりとめたものの心と顔に深い傷を負い、幸せから不幸のどん底へ落ちた敏恵を見て、ハナは外科医から贈られた「仮面」を手に、これからの復讐に胸を高鳴らせる。

第2話「罪の記憶」

昔のいじめの記憶と、海に沈んでいく家族の悪夢を見て目覚めるハナ。つぎなるターゲットは、北海道別海町にいる百子だった。百子は樺太からの引き上げで北海道の祖父母の農家で一緒に暮らすことになり、厳しく辛い農作業をする毎日を送っていた。

縁談が持ち上がり、農家の長谷川熊造を紹介されるが醜くいやらしい男で、このまま家にいても結婚しても人生は終わったも同然だった。希望のない日々に、たまたま道を聞いていた美しい男性・杏一郎と出会う。

道案内がてら彼の車に乗せてもらい、服や食事をおごってくれる杏一郎が、自分を救い出してくれる王子様に見える百子。杏一郎は、両親が東京で貿易会社を経営していること、勝手に結婚相手を決められたことにうんざりしている、と話してふたりでどこかへ逃げようと提案する。

 

夢見心地のまま、ふたりで釧路に逃避行したあと、百子は彼にプロポーズされ旅館で初夜を迎える。彼に飴をもらうとふわふわした気分になり、「婚姻届に名前を」と言われるままにサインしてしまう。

だが、翌朝となりで眠っていたのはあの長谷川熊造だった。百子は女郎として身売りするとサインしてしまっていたのだ。本物の地獄に落ちた百子は、次第に正気を失っていく。

「杏一郎」に扮していたのは、外科医のナース・菊乃だった。ハナの復讐の手伝いをしてくれた菊乃は、自分の過去を語る。

第3話「私は特別」

函館のカフェで美人ウェートレスとして人気者になっていた、奥田スミ子。最近入ってきた新人の菜穂子が常連客から評判が良いのを見るが、嫉妬はせず「美しいということは特別なのだ」と、美貌を持つ仲間として認めていた。

客からチヤホヤされるスミ子だったが、薄汚く見るのも汚らわしい醜い男・中川につきまとわれる。カフェでの会話の内容、デートした相手、行き先のすべてをつづった手紙を毎日送りつけられ、精神的に追い詰められる。

悩むスミ子は菜穂子に相談し、菜穂子にご執心のローカル紙の記者・綿貫晋平に中川からの手紙を渡す。そして常連客をけしかけて、中川を痛めつけさせ「気持ち悪いのよ、ブ男のくせに」と侮辱する。

復讐に燃えた中川がスミ子の顔に硫酸をかけ、スミ子は誰よりも醜い顔になってしまう。そして綿貫が例の手紙は女性によりものだ、と告げる。病院の窓から、かつていじめたハナの顔が見えて、スミ子はハナを追いかけるが自動車に跳ね飛ばされてしまう。

第4話「情け無用」

女学生の頃に成績一番だったハナをねたんで激しいいじめをした瀬尾サチは、引き上げ後は父親の事業の多額の借金を返済するために身売りするほど落ちぶれていた。誰が父なのかすらわからない息子・進司を産んだあと、旭川の祖母の家に預けて仕事を探した。

札幌で絢子と偶然再会し雇われたが、仕事内容は絢子の夫である白井のおもちゃになることであった。「この娘が新しい『お人形』なの?」と、縄や鎖を持ち出す白井は異常な性癖をもっており、多額の報酬と引き換えに欲望を満たす。

 

息子を養うために、仕方なく『お人形』になるサチだったが、息子のもとへ帰る途中に死んだはずのハナと出会う。ハナは血まみれの進司のセーターを見せ、底なし沼までサチをおびきだす。沼に浮かぶ我が子を見て、飛び込んだサチはそれがただの人形だったと知る。

自分が死ねば息子がひとりになってしまう、と命乞いをするサチに、弟を死なせたのは誰か、と答えるハナ。ハナはトドメを刺そうとするが、どうしても命を奪えなかった。

復讐のためにはどんなことでもすると誓ったのに、とハナの心は揺れる。

第5話「氷の追跡」

札幌で絢子と綿貫がカフェで会う。綿貫は記者としてではなく、個人的に奥田スミ子の事故死について調査していると説明し、絢子に樺太女学校の集合写真を見せる。友人たちの連絡先を尋ねられた絢子は、「存じません」と告げる。

だが、綿貫が指差した写真の「市村ハナ」が、スミ子の事故現場にいたと知って初めて絢子は顔色を変える。「もしいたとしても、それは亡霊」だという絢子に、不信感を抱く綿貫。函館の喫茶店で殉難船のことに気づく。

一方、ハナはスミ子の死に対して後悔し、自分の中にある復讐心が揺らいでいることに苦しむ。自分は腰抜けだ、と責めるハナ。復讐をするのも、やめるのも怖い。自分の覚悟を確かめるため、海辺に埋めた留吉の骨を掘り出す。弟の遺骨を抱いて、ハナは復讐心を新たにする。

第6話「出来損ない」

札幌の新聞社に勤める五十嵐先輩のツテで「殉難事件生存者名簿」を手に入れた綿貫。取材で樺太女学校の元教師だった常岡久次にインタビューし、その歪んだ思想を知る。綿貫は彼の話から、ハナが理不尽ないじめにさらされていたことに気づく。

常岡は女子生徒の笹本が醜く貧しいからという偏見で窃盗の罪を着せ、退学にした。それを見たハナは昔の自分と重なり、笹本に代わって復讐を果たす。常岡は駅のストーブで酔ったまま顔を焼かれていた。笹本は唯一の味方である教師・田中に助けられて退学を免れる。

第7話「ごめんね」

大塚敏恵はハナのせいで醜い顔になり、復讐のため絢子に協力を求めた。絢子はハナが生きていることを知る。ハナは鶴田から情報をもらい、室蘭へ向かう。

美女・菜穂子に列車で絡む男たちを見て「人は浅ましい生き物」と上辺しかみない人間の性根を軽蔑するハナ。醜女の面を使い、うまく逃げるが町で桐谷ヤエ子と出会い、女学校時代のいじめのことを謝罪される。強い憎しみはないものの、ハナはヤエ子を「復讐の邪魔」だと考える。

第8話「翡翠の首飾り」

自分の幸せを守るためには他人の不幸なんかどうでもいい、というヤエ子。室蘭縫製学校に入学するが、親の病気で仕送りが止まり中退する。水産加工場の惨めな仕事に疲れ、ライバルが華やかに出世することに嫉妬して、ヤエ子は金欲しさに窃盗・空き巣を繰り返すようになっていた。

大金で洋服を買いあさり、婚約者も手に入れたヤエ子だったが、パーティに着ていく服に盗んだ翡翠の首飾りをつけていくようにハナに勧められる。会場で老婦人に盗みをバラされ、逮捕されるヤエ子。

一方、絢子と手を組んだ大塚敏恵はハナへのリベンジを企み、ドクター内田を訪問する。記者の綿貫は「市村ハナ」の復讐をかぎつけ追っていた。

第9話「追跡者たち」

敏恵はドクターに整形を依頼し、整形理由を尋ねられる。手術を引き受けてもいいが長い時間が必要だと言われ、それではハナに復讐するのが間に合わない!と襲いかかるが菊乃に阻止される。

一方、幼いころ幸福だった家庭を高島津家に破壊され、恨みを残して逝った父親の呪いを引き継いだ深見 栄一が、拘置所のヤエ子に接見。栄一は「言葉の力」でヤエ子から情報を引き出し、ハナを探し出して「私はあなたをずっと探していた」と告げる。

第10話

深見栄一は自分も高島津家に恨みがあり、ハナの復讐に手を貸すと伝えるが「嫌よ」「あの女は、私の獲物よ」とハナに断られてしまう。自分の素性を知っている栄一を警戒し、鶴田に調査を依頼するハナ。

その頃、綿貫はハナの復讐の足取りを追って小倉百子と面会するが、ミイラのように干からびた化け物じみた姿に変わり果てており、彼を彼女を騙した「杏一郎」と思い込んで襲いかかってきた。綿貫は家族の願いもあり、事件の真実を追求すると約束する。

また、ハナに逆リベンジを誓う敏恵によって、函館のカフェのマスターが襲われ「小石川 菜穂子」の偽名と存在が危うくなる。

第11話「共謀」

綿貫はマスターの最期の言葉から、好きだった「菜穂子」の顔が思い浮かんでしまう。菜穂子の手鏡を札幌で鑑定にかけることに。敏恵は隠れ家で醜くなってしまった惨めな自分に打ちのめされながら、「すべてをハナのせいにする」ために市村ハナになりすますことを考える。

深見栄一と手を組むことにしたハナ。高島津絢子への復讐に「何もかも」賭けられると聞いて信頼し、「小石川 菜穂子」の素顔を明かす。ハナはこれ以上、無関係の人を巻き込まないように自分が逮捕される前に、絢子との短期決戦を決めた。そしてその手伝いをさせるために栄一に弁護士事務所をやめるように迫る。

■登場人物の紹介

市村 ハナ:昭和2年、樺太生まれ。醜い顔のせいでいじめられるが、頭は良く成績は一番だった。母と弟の死をいじめた連中のせいだと信じ、復讐を誓う。整形後「小石川 菜穂子」と名乗る。

ハナのお母さん:女手ひとつでハナと留吉を育て上げた。「きれいな顔に産んでやれなくてごめんね」といじめで泣くハナに謝る。心から娘を愛していた。ソ連軍の襲撃で船が沈没した際、死亡。遺体は海の底に沈んだ。

市村 留吉:ハナの弟。船の沈没時にハナが必死に岸まで連れていったが、死亡。

高島津 絢子:大手製紙会社一族の「帝王製紙」社長令嬢。クラスのリーダー的存在で、学校で女子グループを操ってハナをいじめさせた首謀者。白井と見合いして婚約する。

内田胤篤(ドクター):ドイツ帰りで、戦時中は軍の研究機関にいた天才外科医。金で手術を引き受けず、「動機」が重要だという価値観を持っている。人の顔と名前が覚えられず、忘れっぽい。

菊乃:外科医のナースをしている。元男性で軍隊に入って大怪我をしたあと外科医と出会い、女に生まれ変わった。ハナの良き理解者で、復讐を手伝う。ドクターをひそかに慕っている。

大塚 敏恵:ハナをいじめた女のひとり。女学校を卒業後、大塚旅館の跡取りと見合い結婚し、若女将におさまっていた。ハナの復讐後、命はとりとめたが醜い顔となり、逆リベンジを誓う。

百子:樺太引き上げ後、北海道に移住した。貧乏農家で農作業をし続けるか、醜い男・長谷川熊造と結婚するかの二択を迫られていた。

奥田 スミ子:女学生時代、ハサミでハナの鼻を切り、痛めつけたサディスト。漁師町に住む伯父の家に身を寄せたあと、粗末な納屋で暮らすのが嫌でひとりで函館へ渡り、カフェでウェートレスをしていた。

綿貫 晋平:ローカル雑誌「月刊道民」の記者。函館のカフェで菜穂子に会い、惹かれる。スミ子の事故死をきっかけに事件の関係者を調べていき、樺太引揚者にたどり着く。子供の頃に「非国民」といじめられた過去がある。

瀬尾 サチ:学生時代、ハナの大事な教科書を切り裂いた女。ハナがやってくるまでは成績が一番だったためねたんでいた。引き上げ後、父の事業の失敗で転落し、身を売る生活をしていた。進司という子供がおり、子供を養うために絢子と契約してサディストの白井になぶりものにされる。

白井 清二郎:白井グループの御曹司。絢子の婚約者で挙式寸前。おだやかな外見だが、中身は異常者。サチをいたぶって楽しむが、絢子にはいたぶられて悦ぶ。

常岡 久次:樺太女学校時代の教師。醜くて貧しいからとハナに偏見を持ち、窃盗の罪を着せて退学にした。樺太引き揚げ後、故郷の夕張で教師をしていた。『出来損ないを排除する』という歪んだ思想を持つ。

鶴田 眞蔵:整形前のハナを知っている情報屋。背中に彫り物がある。ドクターの友達を自称するが、胤篤からは「友達じゃない」と言われている。

桐谷 ヤエ子:樺太女学校時代の同級生。直接いじめはしていないが、絢子グループにけしかけられてハナを「足拭きマット」にした。夏に結婚予定。盗みをバラされたヤエ子は婚約者も何もかも失い絶望して獄死。

深見 栄一:ヤエ子に接見した弁護士。「言葉」で人を操ることができる。父親は材木商で裕福な家庭に育ったが、製紙会社の高島津家の陰謀により破滅させられ、母親を高島津家に奪われた。

■結末

ツギハギ顔・大塚 敏恵がハナへの復讐のために高島津 絢子と手を組み、その後ドクターを訪れるも、あまりの顔の崩れように時間がかかると言われて整形を断念。菊乃はハナの身を案じる。そしてハナの元に、高島津家に恨みを抱く復讐者・深見 栄一が現れる。栄一を信頼せず協力の申し出を一度は断ったハナだったが、敏恵の起こした事件で弁護士の存在が必要になり呼び出した。最新話で短期決戦を決意する。

■コメント

成績優秀で気立てもいいハナは、「ブス」というこの一点だけで全否定された人生を送っていました。それだけならハナは復讐を考えなかったでしょう。

彼女にとって一番大事な存在である母と弟の死の原因をつくったのが、絢子とそのグループで、いじめた連中を地獄に落とさない限り、憎しみも消えません。しかし、もともと性格のいいやさしい子だったために、非情になりきれない甘さが見えてきました。

それに対して、絢子は最初から冷酷さが突き抜けた存在で、大人になったあとも不気味な夫婦生活を平然とこなしています。このままでは、絢子との対決でハナは負けてしまうかも・・・と感じました。

■作品への評価

幼いころから理不尽なまでにいじめられた醜い女、それが整形によって美貌の女に変身し、美しさを武器に復讐を果たす、というリベンジストーリー。

ハナを見守るナース・菊乃のサポートと、整形を施した外科医の善悪にこだわらない超然とした様子にしびれます。『誕生祝い』に外科医から渡された仮面は、整形前の「ハナ」の顔。復讐の場面では醜女の仮面をかぶり、亡霊としていじめっ子たちを怯えさせる痛快さもあるお話です。

また、異質な令嬢・絢子との対決と復讐のゆくえに惹きつけられます。

 

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